経営のヒント

2013年9月27日 金曜日

収益性と損益計算書(4)

おはようございます!!

星野監督率いる「楽天」がリーグ優勝を決めましたね。

私は阪神タイガースファンなので、星野監督が阪神を優勝に導いてくれたときは、本当に星野監督はスゴイっ!!と思いました。 その後、阪神を離れられてからは、ちょっとガッカリ、というのもあり、正直言って、星野監督への興味をやや失くしていました。 しかし、あの「楽天」をわずか2年で優勝させるのですから、やはり星野監督の監督としての才能はスゴイっ、と改めて思った昨夜でした。皆さんはどのように思われたでしょうか?

さて、このテーマ、「収益性と損益計算書」も今日が最後です。どうか今日も最後までお付き合いください。

昨日は、「変動費」と「固定費」についてお話しました。その続きになります。

つまり、 大雑把にいうと、
        
売上原価→変動費           
           
販売費及び一般管理費→固定費           

ということができます。

ところで、昨日の質問の答えですが、変動費売上によって、比例的に増減するわけですから、売上との割合である「売上高総利益率」をどうやって大きくするか?を考えることが有効です。一方、固定費は売上や他の要因にも左右されませんから、その金額、例えば、販管費が毎月、200万円ほど出ているとしたら、単純にこの200万円をどのように減らすか?を考えるべきです。   
      
上記のようなことから、私は、損益計算書について、最も注目すべきところ(管理すべきところ)を3つ挙げるとすると、           
①売上高(金額)          
②売上高総利益率           
③販売費及び一般管理費(金額)  
    
           
だと思っています。なぜなら、売上高の多寡は言わずと知れた、最も大事な数値の一つで、これに関しては特に説明は要らないでしょう。           
           
次に、売上原価は変動費ですので、ここで重要なのは、売上高総利益率(粗利)です。           
例えば、売上高がいくら、800万円から1000万円に増加したからといって、極端に言って、売上高総利益率が30%から20%に減ったとしたら、粗利は240万円から、200万円に減ることになります。つまり、仮に値引きをたくさんして、売上高を上げたとしても、値引きにより、売上高総利益率が大きく下がれば、実は利益は減っているということが判ります。 これが売上高とともに、売上高総利益率を管理しなければいけない理由です。        
           
最後に、販売費及び一般管理費については、上記でお話したように「固定費」にあたりますので、売上との連動で判断するのではなく、あくまで、発生している金額で、その多寡を判断すべきです。売上がいくら、大きくて営業利益も増加しているとしても(当然、売上高営業利益率/経常利益率も上昇しています)、気が大きくなって、この販管費も増加していることを見落としていたら、今度、売上が減少したときに大慌てしなければならなくなるでしょう。  

以上、収益性と損益計算書で特に注目すべきところを見てきました。また参考にしていただければ嬉しいです。

今週末は全国的に秋晴れsunになりそうな天気予報になっていますね。ただし、気温も下がってきますdownので体調管理に気をつけてください!

また、来週もよかったら、このブログのぞいてください!!
よい週末を。。。confident   

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月26日 木曜日

収益性と損益計算書(3)

おはようございます!!

関東のほうは台風20号の影響が心配です。どうか台風情報に気をつけて、万全の注意を払ってくださいね。

さて、本日も収益性の指標と損益計算書についてのお話を続けます。

①~④のそれぞれの利益率は、それぞれの損益計算書上の段階の利益が売上の何%にあたるか、ということになります。               
売上総利益率は、売上の中に占める粗利の割合。                
売上営業利益率は、本業に掛かる直接的な経費(原価+販売費及び一般管理費)を引いた後の利益が売上の何%にあたるか。                
売上経常利益率は、実質的な利益(突発的に生じる利益や損失を含めない)が売上の何%にあたるか。                
そして、最終に残った、「税引後当期純利益」が売上高の何%かを知ることで、いかに効率のいい、儲かるビジネスができているか(あるいはできていないか)を知ることができます。                
                
それぞれの段階の利益率を知ることで、例えば、「売上当期純利益率は悪いけど、経常利益率は良い。これは今期、たまたま固定資産を売却したら予想外の損失がでたためであって、本業自身は何も問題がない」などと、分析できるわけです。                
                
しかし、もし、売上とコストのバランス(管理)を考えるなら、実はこれだけで、一喜一憂していても、あまり意味がないと私は思います。                
                
なぜなら、経費の出方、というのは、必ずしも一定ではなく、大きく分けて、2種類ー「変動費」と「固定費」というものに分けることができ、「固定費」と「変動費」では管理の方法が異なってくるからです。                

変動費と固定費とは、次のように考えることができます。            
                
変動費                
売上原価は通常、売上高にほぼ比例して発生します。例えば、販売業で言うと、3,000円のモノを売ったとき(売上3,000円)、        この原価が1,600円だとすると(売上原価1,600円)、同じモノを2つ、3つ。。。と売れたとすると、売上高と売上原価がともに2倍、3倍となり、両者が比例することは明らかでしょう。このように売上高に比例して発生する費用を変動費といいます。そして、売上原価はその典型的なものということができます。                
                
固定費                
スタッフへの給料の決め方については、必ずしも一定ではなく、いわゆる「歩合」(売上に対して、その何%)制が大きな割合を占めるところもあります。 このような場合、この歩合の部分は、上記でお話した「変動費」ということになります。しかし、多くの場合、基本給が多くの部分を占めており、これは、売上高が大きくても、小さくても、変化がありません。また、賃貸料もたまに売上高に連動するところもありますが、多くの場合は、売上高とは何ら関係なく一定の金額を支払うこととなります。通信費、光熱費等も、多少は売上に連動する部分もあるでしょうが、その多くは売上とは関係なく発生します。                
このように、売上高の大小とあまり関係なく、ほぼ一定の額が毎月発生するものを固定費といいます。そして、販売費及び一般管理費の合計はだいたい固定費ということができます。     

さて、本日の質問は、

変動費、固定費のコスト管理をする場合に注目すべき指標は何でしょうか?」         

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月25日 水曜日

収益性と損益計算書(2)

おはようございます!!

天気予報では、「今日までが夏で、明日からはイキナリ秋の様相になる」とか。。。いずれにせよ、着ていく洋服や、寝るときの夜具に悩む毎日ですが、とりあえず、明日からは暖かめ(?)にしたほうが良さそうです。お気を付けください!

さて、本日は収益性を示す指標について、お話を進めます。

収益性(利益の大小)については、やはり一番気になるところですので、皆さんもよくご存知のことだと思いますが、再度確認してみましょう。                
                
収益性、というのは、損益計算書上の売上高に対する各段階での利益との割合を計算して分析していくものです。
                
例えば、「粗利」は○%、という言い方をしますが、これは正式には「売上高総利益率」といい、売上総利益(売上高から原価を差し引いたもの)が売上高の何%にあたるか、を示すものです。                
                
収益性の指標として、通常は、以下の4つがあげられます。              
① 売上高総利益率                
② 売上高営業利益率                
③ 売上高経常利益率                
④ 売上高当期純利益率                
                
ところで損益計算書の基本的な構造は以下のようになっています。                
                
  売上高                    ××××           
  売上原価                   ××××           
  売上総利益                         ××××           
  販売費及び一般管理費          ××××           
  営業利益                            ××××           
  営業外利益及び損失             ××××           
  経常利益                            ××××           
  特別利益及び特別損失等       ××××           
  税引前当期純利益                ××××           
  法人税等                            ××××           
  税引後当期純利益                ××××           
                
上記の4つの指標は、損益計算書における、それぞれの段階の利益、すなわち売上総利益営業利益経常利益当期純利益売上高の何%になるか、を示すものです。そして、それぞれの段階の利益には、それぞれ意味があります。    
            
売上総利益は、一般に粗利、と呼ばれ、売上から売上原価を引いたものです。
                
営業利益は、その売上総利益から、さらに人件費や、交通費、通信費、賃貸料等、営業に直接必要な経費である「販売費及び一般管理費」を引いたものです。  
              
さらに経常利益とは、例えば、借入利息や、受取利息といった、「直接営業には関係ないけど、日常的に発生する収益と費用」を営業利益からプラス・マイナスしたものです。   
             
最後に、固定資産を売却した場合の利益や損失、決して一般的には発生しない(例えば、盗難にあった場合の被害など)利益や損失といった「特別な損益」を経常利益からプラス・マイナスしたものを税引前当期純利益といいます。
              
最終的に「税引前当期純利益」から税金を計算して、その法人税等をさらに引いたものが税引後当期純利益、ということになります。

さて、本日の質問は、

あなたはご自分の会社(組織)の利益の金額と売上利益率をだいたい把握されていますか?」              

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月24日 火曜日

収益性と損益計算書(1)

おはようございます!!

今週も、先週に引き続き、3連休明けでお仕事は本日(火曜日)よりスタートということになったところが多いと思います。
今週も元気で頑張っていきましょう!!

先日、とある社長から、「こんな会社があるねんけど、どう思う?」と、かの「帝○データバンク」の資料を見せられ意見を求められました。どうやら、それはこの社長の会社のライバル会社?!ま、そんなことは置いておいて。。。  
    
私たちがこのような依頼を受けた場合は、とりあえずいくつかの指標を使って、だいたいの会社の状況を掴もうとします。    
    
だいたの状況とは、まず儲かってるか、そうでないか?(収益性) 短期的・長期的な資金繰りは問題ないか?(財務安全性)等々ですが、元となる数字が誤魔化してある場合を除き、こういった指標分析を実施すると大まかな企業の状況というものが見えてきます。    
    
また、このような指標は、ご存知のように銀行が融資するか、どうかを検討する場合の判定基準で大きなウエートを占めていますし、御社の現在の財務上・業績上の強みや弱みを知るうえでも、参考になります。 
   
さらに時系列に並べることで、会社の状況が改善しつつあるのか、悪化しつつあるのか、というのも判ります。    
    
単に金額だけでは見えにくいことも、指数にすることで見えてくることもあります。    

例えば、売上額については、申し分がなく、利益もそこそこ上がっているので、何の心配もない状態、と一見、思われるようなものでも、指標を計算してみると、少しずつ年々悪化していたり、他社と比較すると指数自身は決してよくない、ということが判ったりします。    
    
そのような意味で、経営指標というのは、自分が大切と思えるものや、興味のあるものだけを覚えていても損はありません。    
    
それに、基本は加減乗除で計算できるので、決して難しい数式を使うものではありません。ちょっとした電卓があれば、すぐに計算してみることができます。    
    
というわけでこれからしばらくは、経営指標について見てみたいと思います。    
    
経営指標は通常、収益性、効率性、安全性の3つの視点で見ることになります。    
    
このうち、①収益性とは、儲かっているかどうかの視点 ②効率性とは、投下されている資産が効率よく運用されているかどうかの視点、そして、③安全性とは、資金が適度な余裕をもって、安全に回っているかどうかの視点をいいます。    
    
    
今週は、このうち、①の収益性と損益計算書のお話から始めましょう。    


投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

2013年9月20日 金曜日

ピーチの挑戦(4)

おはようございます!!

今週、来週と3連休、という会社も多いと思いますが、この3連休のお天気はまずまずの模様ですね。秋空の下、どこかにお出掛けになる方も多いのではないでしょうか。

さて、本日はピーチとはじめとするLCC(格安航空会社)のコスト・ダウン術についてです。

先日もお話しましたが、LCCでは、「お客様を安全に、確実に目的地に運ぶ」というコアなサービスのみに重点的にコストをかけ、それ以外のサービス(機内食、音楽、映画。。。)をはじめとする他のコストを徹底的に抑えることで、安価な航空運賃を実現している、と言えます。

そんなコスト削減の方法を見ていきましょう。

運航コストの低減
1.運航機種を1機種程度に統一し、可能な限り機種を絞り込む  
2.航空機メーカーから特定機種を大量に一括購入契約、または金融機関を通じたリース契約にすることで、機体コストを抑える  
3.パイロットの操縦資格と訓練コストを最小にする/客室乗務員の訓練コストを最小にする  
4.整備の共通化によって、保守部品と保守機材、メンテナンス要員の訓練コストを最小にする  
5.既存の航空会社が乗り入れている混雑した大空港をできるだけ使用せず、大都市周辺の混雑していない地方の中小空港に乗り入れる
6.多頻度・定時運航によって航空機を有効活用空港駐機料を最小にする
7.ボーディングブリッジを使わずにタラップを使用しての搭乗、いわゆる「沖止め」を行なうことで施設使用料を安価に抑える  
8.設備を簡素化した格安航空会社専用ターミナルを利用する
9.機内清掃は乗務員自身も行い地上要員数を最小で済ませる
10.整備設備を自社で持たず、整備を他社に委託する

人件費の削減
1.飛行訓練に対するコストを削減するために、すでに乗務資格を取得している運航乗務員を中途採用する  
2.乗務員を含めて社員の給与や待遇に掛かるコストを抑える(多くは契約社員
3.制服を有償配布とする他、既存の大手航空会社では無償で与えられる靴やバッグなどの各種備品を有償配布とする  
4.社員向け無償/割引航空券の廃止や、他社との社員向け無償/割引航空券の提携を行わない  
5.客室乗務員の訓練を有償に、もしくは訓練期間中を無給とする
6.空港カウンターには搭乗手続きを実施する時間帯のみにスタッフを配置し、時間外は閉鎖する。  
7.インターネットや自動チェックイン機によるセルフチェックインの推進。カウンターチェックインを有料化する。 

機内サービスの簡略化
1.機内食や飲料は有料販売にする
2.預かり手荷物の無償枠を下げ、有料化を増やす  
3.機内シートには掃除しやすい合成革張りを使用する  
4.座席指定を廃止し自由席とする/座席指定を有料化する  
5.毛布や枕などを有償化する  
6.座席ごとのビデオや音楽放送、機内誌、新聞、雑誌などの機内エンターテインメントを省く
7.座席の前後間のスペースを詰める(ハイデンシティ)ことで座席数を増やす  
8.座席クラスをエコノミークラスに統一する 

以上がLCC一般のコスト・ダウン術です。ちなみにピーチはほとんど上記項目を実施しています。

ただし、現在、LCC3社の中でも、ピーチが勝ち組になりつつあるのは、上記コスト削減の実施に加え、当初より、関西国際空港及び那覇国際空港を拠点に、国内・海外(アジア)の路線を拡大していく、という戦略がはっきりしており、その戦略通りに進め、搭乗者数を直実に増加させている点にあると考えます。

コスト削減方法については、おそらく、従来の航空会社の常識では考えられない徹底ぶりですね。しかし、中途半端にコスト削減をするより、こうして、徹底的にすることで運賃の低下を実現することは、多くの乗客にとって、納得のいくことではないでしょうか。そして、それが、今や消費者にとっては、一つの選択肢として提供されており、今後、長期にわたって安全性が確保されていくことでますます需要は増えていくものと思われます。


そして、本日の質問は

「コスト削減の可能性について、どう考えますか?あなたは従来の常識にこだわり過ぎていませんか?」


さて、今週はここまでです。また、来週の3連休明けにお目にかかります。
3連休の方も、そうでない方も、どうか素敵な週末をお過ごしください!!

投稿者 七野恭子税理士事務所 | 記事URL

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